「杉」とエンツォマーリ氏
今月より当店では、イタリア人工業デザイナー
エンツォマーリ氏デザインのチェア、テーブルを展示しております。
今回はそのご紹介の一回目として、主要素材として使われる「杉」をテーマに。。。
戦後の荒廃した森林に、日本は政策として「杉」を大量に植林していき
しかも、1957年には国有林生産力増強計画を策定し、建用材として
天然林(広葉樹林)を伐採し、杉を中心とした樹種転換を図り
高度経済成長を下支えしてきました。
ところが、円高による外国材の輸入増加や建築法の変化は国産材の価格低迷を
招き林業財政は圧迫され、森林の育成は後回しとなり、山は荒廃していっています。
国土の65%程が森林にもかかわらず、木材自給率はわずか18%程の日本において
国産材を育てて使い、森林を循環させるのには不可欠な「杉」の利用ですが
軟らかい点が家具用材としては不向き。
しかし、軽く、木目で真っ直ぐで美しく、温かみのある質感という長所もあります。
(圧縮の参考画像)
そこで、杉の「軟らかい」というデメリットを解決するのが「加熱圧縮」です。
一定の温湿度で蒸し軟らかくし、上下からプレス機で圧縮
それにより代表的な家具用材でもあるブナとほぼ同じ表面強度が実現しました。
そして、そのデザインを行うのが
ドリアデ、ザノッタなどのデザイナーとしても有名なエンツォマーリ氏です。
古来より日本人の暮らしに関わり続け、優美さと温もりをもつ「杉」を使い
エンツォマーリ氏によってデザインされた作品はミラノサローネでも話題となりました。
次回より少しずつ商品を紹介できればと思います。
2009年09月05日 Posted bycostes at 14:39 │Comments(0) │杉材 エンツォマーリ
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